こんにちは。

今日は、きたざわ尋子さんの本を。
きたざわさんの本は、私がBLを読み始めた中学生の頃にはまってました。

その後、10年ぐらいBLから遠ざかっていたのですが、
電子書籍でこの本を発見し、懐かしくなって読んでみたことが、BLに再びはまるきっかけになったのです。

★重ねる指先 (きたざわ尋子)
 ※電子版購入サイトはこちら⇒「BookLive!」「Renta!

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さくらの評価:★★★★☆


今読むと、ちょっと物足りないというか、
綺麗で幸薄な受けと、金持ちでイケメンな攻めっていうのが、きたざわさんのテンプレ過ぎて、
展開に飽きちゃうんですけど、それでも切ない系が好きな私はこの本は定期的に読み直してます。

特に前半パートの、二人の距離が共同生活で近づいて別れるまでの話が好物です。

それでは、ネタバレOKな方は、こちらから。

↓↓↓




二十歳の大学生、岸本真弥には雨の日になると思い出す人がいます。
2年前、自分を窮地から救い、雨ばかりが続いた1週間を一緒に過ごし、そして別れた人。

すごく会いたいけれど、会う理由がなくて、会いに行けない----
外で降り続く雨を見ながら、真弥が2年前の誕生日を回想するところから話は始まります。

2年前、両親をすでに亡くし、姉と二人で慎ましく暮らししている真弥。
姉が体調をくずして入院し、一人で誕生日を過ごしていたところ、従兄弟から誘われてご飯にいきます。

この従兄弟は真弥ら姉弟を、いやらしい目で見ており、真弥は苦手にしていました。
しかし、二人がレストランから出たところで、真弥は運悪く、ぶつかった女性のバーキンを駄目にし、
弁償する必要ができたために、従兄弟に借りを作らざるをえなくなります。
(これは実は、真弥をいいようにしたい従兄弟が仕込んだ劇だったのですが・・・)

一旦場を預かる、という従兄弟に言われるままに、その場を離れ、家に帰る真弥。
従兄弟にお金を借りれば、身体を要求されるのは目に見えており、
だからといって、姉や自分にはお金がないから、どうしようもない…と悩みながら帰り道を歩いていた時、
偶然、通りかかった車が水たまりにはまり、水をかけられてしまいます。
車から出てきたのは、矢崎喬之という男。
背が高く、おそろしく容姿が整ったその男は、真弥に迷惑をかけたことを詫び、
何かあったら連絡を、と名刺を渡して、家まで送り届けてくれます。

落ち込んでくれたところに優しい言葉をかけられ、
矢崎の行動が心に沁みる真弥。
二度と会うことはないだろうと思っていた真弥でしたが、
翌日、想像通り、従兄弟に身体を渡すことになったところを、思わず身一つで逃げだしてしまい、
どうしても優しい声が聞きたくなり、ポケットの中にあった名刺から、矢崎に電話をしてしまいます。

様子がおかしい真弥を心配し、かけつけてくれる矢崎。
それだけでなく、事情は聞いた矢崎は、代わりに弁償してくれるといいます。

そんなことをしてもらう義理はないという真弥に、代わりに「君の1週間をもらおう」という矢崎。
悩む真弥でしたが、従兄弟にいいようにされるぐらいなら、とそれに応えます。

そして二人の1週間がはじまります。
はじめは身体を求めてこない矢崎に、自分に渡せるのは身体しかない、と
身体を差し出す真弥と、それに応えて抱く矢崎。
二人は、身体の関係や、日々の何気ないやり取りを通して、徐々に近づいていきいます。

しかし、二人の距離が近づいてきたころに、期限の1週間を迎え、別れの日を迎えます。

二人交互の視点で話が進むのですが、別れる時の矢崎の視点、気持ちが好きで。
はじめは、綺麗な男の子、ぐらいにしか思っていなかったはずなのに、
真弥の綺麗な容姿と、それに反面して行為のときに魅せる色気、純粋さ、素朴さに
どんどんはまっていって、のめりこんでしまっている自分に驚くんですよね。
そういう余裕の無さって好きです(笑)




知らない間に日付はかわっていた。

矢崎がそれに気が付いたのは明け方になってからだったし、真弥に至っては、今でもそうと意識していないかもしれない。

カウントダウンは始まっていた。約束は今日までで、それが何時とはきめていなかったが、一緒に過ごす夜がもうないことは間違いなかった。

だから執拗に抱いた。そのときまでは自分のものなのだからと、心の中で言い訳をしながら未練がましく求め続けた。

終わりの日が近づいてからは痕をつけまいとしてきたが、そんなことすら忘れていた。

(中略)

真弥がここから帰っていった後、男に抱かれたという事実を引きずるようではいけないと、確かにそう考えていたはずなのに、たった一度自分自身の誘惑に負けたために、どうしようもないほど溺れてしまった。

甘く誘う唇に、縋るような瞳。

無意識に男を引き寄せる力を彼は持っているのかもしれない。

細くしなやかで、誰よりも甘いこの身体を思い出し、きっとこの先も矢崎は渇きを覚えるのだろう。



ああ・・・・。矢崎さん・・・。
なんかこういう、攻めが受けを溺愛している描写って大好きです。
やはり受けは愛されたナンボ!と思います。

まあお互い、もっと一緒にいたいって一言言えばいいだけなんですけど、
矢崎は、真弥がこれ以上心のトラウマにならないように、とひいちゃうし、
真弥も、引く手数多な矢崎にとって、自分はあくまでお金の対価として抱いていただけで、出しゃばっちゃだめだって考えちゃうんですよね。

いじらしい!でもこうじゃないと話は面白くない(笑)

そうして別れて2年経つのですが、
再び、従兄弟が登場することで、真弥は矢崎と連絡を取ることになり、再会し、
最後はイイ感じにまとまって終わります。

全体的に切ないし萌えたのですが、
★がマイナス1なのは、細かいところで、設定の矛盾がちらほらとあったりしたのが気になったので。
本筋とは関係ないところなんですけど、なんか気になってしまって。

あと、従兄弟に抱かれるのが嫌で逃げてきたのに、矢崎には積極的に抱かれようとしている真弥に
ちょっとピンとこなかったり。
まあ、そうしなきゃBLとして話が始まらないんですけどね(笑)

なんだかんだ言いつつ、きたざわ先生らしい、包容力のある高スペック攻めと健気な受けちゃんの
切なイイお話でした。

ちなみに、続編も出ていて、「甘える指先」「伝える指先」と2作あります。
いずれも面白いですが、やはり切なさ度は、本作が一番だと思います。
あ、でも続編の方がエロいかも(笑)
どんどん真弥が素直に溺れていっちゃうんで(笑)
それではこの辺で。


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